高配当株ポートフォリオ艦隊☆司令長官の奮戦記

配当再投資戦略で資産形成を目指すサラリーマン投資家の手記

株価低迷中のクラフト ハインツ(KHC) を購入!

 ここ最近の米国市場の好調により、わが家計の高配当株ポートフォリオ艦隊は一斉に含み益を拡大し、豊かな老後へ向けて高速航行を続けていた。しかしその中で一隻、脱落して大破炎上している艦があった。


 その名はクラフト ハインツ(KHC) である。


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 わが家計では、今年6月の米国ディフェンシブ銘柄の低迷期に艦隊を急ごしらえしたため、多数の船が爆益の大戦果を挙げていた。


✔ ファイザー(PFE)  購入:35.95ドル ⇒ 現在:43.92ドル +22%
✔ ジョンソン & ジョンソン(JNJ)  購入:122.42ドル ⇒ 現在:138.15ドル +13%
✔ プロクター & ギャンブル(PG)  購入:75.83 ⇒ 現在:83.05ドル +10%
✔ エクソン モービル(XOM)  購入:80.93ドル ⇒現在:85.84ドル +6%


 そのような中、


✔ クラフト ハインツ(KHC)  購入:60.96ドル ⇒ 現在:54.81ドル -10%


 全体が好調な中、これほど株価が低迷しているのには不吉なものを感じるが、配当利回りが4.5%に達しているのが魅力的であったので、証券口座にあった金を全部つぎ込んで、約125,000円分を購入したのである。


 その結果、クラフト ハインツ(KHC) は、わがポートフォリオの最大艦となった。今後、高配当と爆益のダブル戦果を期待する。

FRBの利上げ、私たちの生活や投資への影響は?

 米国の中央銀行にあたる連邦準備理事会(FRB)が利上げを決めた。短期金利の誘導目標を年1.75~2.00%から2.00~2.25%へ0.25%引き上げた。


 米政策金利の誘導目標 2.00% ~ 2.25% !


 米経済は4~6月期の成長率が4%台に高まっていて、FRBは米国経済の強さに自信を深めている。今後も利上げを継続し、最終的には3%くらいまで引き上げる予定みたいだ。
2008年のリーマンショック以来続けてきた金融緩和も、いよいよ出口が見えてきた。


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 わが家計では、米利上げの影響について次のように考えている。


Q:住宅ローンの変動金利が1%未満なので安心していたが、これからは上がるの?
A:当面は上がらないので安心されたい。日本の政策金利は-0.1%であり、日銀も当面これを継続する方針である。日本経済も強くなってきてはいるが、家計や企業のデフレマインドが強く、賃金や物価が思うように上昇しないので、金融緩和の出口はまだまだ先だ。


Q:株価は下がるのか?
A:FRBの利上げを受けて、米国高配当ディフェンシブ銘柄は下がるかもしれない。なぜなら、ディフェンシブ銘柄は大幅な値上がり益が期待できないため、債券利回りが上がることにより、相対的な魅力が落ちるからである。しかし、米国では長期的にはインフレが株価を押し上げると考えられるから、長い目で見れば、損を出す心配はしていない。


Q:為替レートはどうなる?
A:米国の金利が高くなったことによりドル通貨を保有するメリットが増すので、円安ドル高に振れるだろう。現に足元では1ドル=113円台まで上がっている。だが、日本のインフレ率は米国よりだいぶ低いから、それほど急激に円安が進行するわけではないだろう。


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 そういうわけで、わが家計では、ローンの繰り上げ返済、株式の売買、円通貨のドル転、一切何もやらない。この世界の片隅で、ひたすら配当金を待ち続けるだけの日々が続きそうだ。

配当再投資と本源的な資本集積

 わが高配当株ポートフォリオ艦隊は、豊かな老後に向けて針路をとり、株式市場の荒波の中を航行中である。


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 さて、米国株ブログ村では、ジェレミー・シーゲル博士が提唱し、バフェット太郎氏が広めた配当再投資戦略こそが最強であると信じ、それを実践している者が多い。かくいう私もその一人である。


 ある男が1,000万円を持っており、これを年率3%で複利運用すると・・・


 1年後 1,000万円✖103%=1,030万円
 2年後 1,030万円✖103%=1,061万円
 3年後 1,061万円✖103%=1,093万円
 4年後 1,093万円✖103%=1,126万円
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  30年後  2,357万円✖103%=2,427万円


 この男は、何もせずに寝ているだけで1,400万円を手に入れるのである。私たち米国株投資家の多くは、この男のようになることを夢見て、日々配当金集めに勤しんでいる。


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 この成功者を遠くから眺めているもう一人の男がいる。彼はあまり豊かではなく、現在の貯蓄は5万円ほどだ。彼も配当再投資で豊かになりたいと思い、5万円で配当利回り3%の株を買った。


 1年後 50,000円✖103%=51,500円


 だが、彼のチャレンジは上手くいかなかった。配当金を1,500円(約15ドル)では少なすぎて再投資できない。なぜなら1株あたりの値段は・・・


・IBM 148.01ドル
・ジョンソン&ジョンソン 138.64ドル
・クラフトハインツ 55.66ドル
・コカ・コーラ 45.68ドル
・マクドナルド 166.41ドル
・ファイザー 43.79ドル
・P&G 83.12ドル
・フィリップモリス 79.91ドル
・AT&T 33.76ドル
・エクソンモービル 86.5ドル


 この男がAT&Tに第一回目の再投資できるのは、3年後のことである。彼の時間が進む速さは、さきほどの裕福な男の1/3という事になる。アインシュタインは時間は相対的なものだと言ったが、配当再投資において時間がゆっくり進むというのは残酷である。これでは、富める者はどんどん富み、貧しいものはずっと貧しいままである。だが、この不平等こそが資本主義の掟なのである。


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 この二人の男は、私たちに以下のことを教えてくれる。
✔ 金持ちになるためには、配当金を再投資すればよい。
✔ だが、配当金を再投資するためには、最初から金持ちでなければならない


 労働者のバイブル:マルクス『資本論』でも、同じようなことが言われているようだ。


✔ 資本によって剰余価値がつくられ、剰余価値によって資本がつくられるプロセス
✔ このようなプロセスが存在すること自体が、このプロセスの出発点になるような資本
 集積、すなわち「本源的な資本集積」があったことを示している


 何やらややこしいことを書いているが、要するに、金が金を産むという資本主義のプロセスが始まる前の時代に、一部の人間のもとへの凄まじい富の集中が起こったということだ。『資本論』によれば、それは、もともと農民が土地を所有していたのを封建領主が強制的に取り上げたことによって、農民はプロレタリアートとして放り出され、封建領主が資本家階級になったという感じらしい。これが、「本源的な資本集積」である。


 配当再投資を喧伝する米国株ブロガーたちも、何らからの「本源的な資本蓄積」の経験があるのだろう。
✔ 若い頃、実家で暮らしながら金を貯めた
✔ 夫婦そろって東証一部上場企業の正社員
✔ アフィリエイトブロガーとして成功した
といったところだろうか。


 いずれにしても、この「本源的な資本集積」が、配当再投資のスタートなのである。


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 さきほど登場してもらった貧しい男。彼は配当再投資戦略を始める前にお金を貯める活動、すなわち「本源的な資本集積」を行わなければならない。


Q では、どれくらい貯めたらよいのか?
A 米国株で、手数料で大きく損しないためには、10万円単位で購入する必要がある。
    配当再投資を毎年行うには、年間配当金(税引き後)が10万円くらいあればよい。
  300万円✖3%=9万円
  ちょっと足りないが、300万円あれば、配当再投資戦略をスタートできそうだ。


 だが、給料の低いプロレタリアートにとって、300万円の余剰を出すのは並大抵のことではない。なぜなら、労働者の給料は「明日も生存して働くことができる最低限の金額」に抑えられるからである。ちょっとでも贅沢をしようものなら、あっという間に赤字に転落する。この状況で300万円貯めるには、しばらくの間、かなりの覚悟が必要になる。目安としては、夫:正社員、妻:パートで共働きしながら、超節約生活を2年ほど続ければなんとか貯められるだろう。


 ここを耐え抜けば、貧しかった男も、配当再投資の第一歩を踏み出せる。


 1年後 300万円✖103%=309万円
 2年後 309万円✖103%=318万円
 3年後 318万円✖103%=328万円
 4年後 328万円✖103%=338万円
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 30年後 707万円✖103%=728万円


 最初の2年間で「本源的な資本集積」を成功させれば、お金が働いてくれるシステムを手に入れることができる。この男にとってはつらい時期になるが、ここが人生最大の戦いといってよいかもしれない。この戦いを超えれば、あとは配当再投資によって金が勝手に増えていくイージーな世界に突入することができるのである。