高配当株ポートフォリオ艦隊☆司令長官の奮戦記

配当再投資戦略で資産形成を目指すサラリーマン投資家の手記

私が米国株投資に行き着くまで

 私のこれまでの投資歴を語ろう。


 私が株式投資を始めたのは5年くらい前、ちょうどアベノミクスが始まった頃だった。まだ社会人経験も浅く、周りに株式投資をやっている人間もいなかった。株式投資とは、安いときに買って高くなったら売るものだという迷信を無邪気に受け入れていた。何も知らなかった。本当に何も知らないカモだった。すぐに大損して借金まみれになって永久退場してもおかしくなかった。


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 しかし、私は借金を背負って退場どころか、損失すら出さなかった。日本市場が上昇相場だったことに救われた。そしてもうひとつ、当時の私は仕事が上手くいかず自信を失っていた。アニマルスピリットは完全に砕け散り、ただの臆病な若者になっていた。株式投資は始めたものの、ほんの少ししか株を買わなかった。投資額は常に100万円くらいだった。含み益が出た銘柄を時々売って、また下がったら買ったりして、保有銘柄が少しずつ入れ替わる程度だった。だが、これが良かった。大きな勝負をせず、少しずつ株式市場に慣れていくことができた。


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 こうして、好調な市場環境にも助けられて、小さなキャピタルゲインを積み重ねていった。私は気を良くして、強気になって投資額を少し増やした。2015年前半、日経平均ががMAX21,000円くらいまで行った時期である。その瞬間・・・株式市場が激しく崩れ出した。トランプ大統領選挙まで続く世界同時株安の始まりだった。私の株は瞬く間に含み損を拡大し、これまで蓄積してきた利益は吹き飛んでしまった。日経平均は15,000円近くまで落ちた。・・・この時、私は資産を拡大する絶好のチャンスだった。いまだ手持ち資金の6割以上がキャッシュで残っていた。だが、私は恐怖のあまり立ち尽くし、子犬のようにブルブル震えていた。1株も買うことができなかった。


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 こうして1年ほど、ひたすら含み損を眺める日々が続いた。投資意欲は完全にフリーズしており、後から考えれば絶好の買い場だったのを逃したが、売ることもなかった。そして、2016年11月、トランプ相場が始まった・・・。含み損は瞬く間に縮小し、含み益に転換した。中でもシャープは毎日爆上げを繰り返し、私の希望の星になっていった。


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 翌2017年になって日本株の上昇は落ち着いても、シャープはまだ上げ続けていた。私はアニマルスピリットを爆発させ、上昇相場の中、シャープに合計100万円くらい突っ込んだ。しかし、その瞬間・・・シャープの株価がどんどん下がりはじめ、含み益が減り始めた。だが私は2017年4月の最高値500円の熱狂を忘れることができず、株価復活を夢見て持ち続けた。株価は下がり続けた。年末あたりの1部復帰報道でいくらか盛り返して売却のチャンスが来たが、やはり最高値が忘れられず、売ることができなかった。株価は再び下がりはじめ、どんどん落ちていった・・・


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 私はようやく、株の売買は所詮はギャンブルであるという当然の事実に気が付いた。配当金の再投資で少しずつ増やした方が合理的であることに、5年近くかかってようやく気が付いたのである。そうして、日本市場で比較的高配当な、J-リート、自動車、商社などをいくらか買って、一生涯持ち続けることを心に誓った。少し大人になった気分だった。


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 その時、私の人生にブレークスルーが起きた。ネットサーフィンをしていたら、米国株ブログに行き着いた。たぱぞう氏のブログであった。私はそこで、日本市場よりも圧倒的に魅力のある米国市場があるという事実をはじめて認識した。コカ・コーラ、フィリップモリス、P&Gなど、人生をかけた長期投資に値する超優良企業の存在をはじめて認識した。さらに、バフェット太郎氏のブログでジェレミー・シーゲル著『株式投資の未来』というバイブルの存在を知り、それを買って読んだ。さらに同氏の『バカでも稼げる米国株高配当投資』を読み、いよいよ米国株投資家になる決意が固まった。私は証券口座に追加入金して、一晩で米国株10種ポートフォリオを作った。ちょうど米国利上げにより高配当株が大きく値下がりしていた時期だったので、すばらしい企業の株を、なかなか良い値段で買うことができた。


 こうして私は、米国株長期投資家となり、同時に、わが家計の高配当株ポートフォリオ艦隊の司令長官となったのである。