高配当株ポートフォリオ艦隊☆司令長官の奮戦記

配当再投資戦略で資産形成を目指すサラリーマン投資家の手記

他人のタダ働きをあてにする日本社会の残念さ


写真はイメージです


この資本主義の世界では、人々はお金を稼ぐために働いている。成功したいと強く願い、自分の才能を活かせる場所を選び、そこで必死に努力した者には豊かな未来が待っている。


しかし、私たちの身の周りにはタダ働きをする機会がゴロゴロ転がっていて、自由意志にせよ強制にせよ、そっちの方へ流されて金を稼ぐチャンスを失っている人も多いと思う。



国・自治体、学校、企業などあらゆる組織は、労働の対価をケチるため、美しい言葉を並べてボランティアの担い手をリクルートしている。


東京オリンピックの組織委員会は、「ここでしか得られない経験、感動、成長の機会が待っているぞ!」と言って、全国からボランティアをかき集める(交通費、宿泊費は自腹である)


民間企業は、「あなたは会社の将来を担う立場なのだから」「皆あなたに期待してるのだから」と言って、従業員にサービス残業をさせる


国、自治体、学校は、「今こそ、地域の絆が大切なのだ」「子供たちのために」と言って、自治会やPTAを通じて無償の労働力を徴発する




私は、サービス残業は糞だが、ボランティアや地域活動に積極的に取り組む人々は素晴らしいと思う。市場経済の恩恵は社会の隅々までは行き渡らないので、このような活動は社会を支えるためには必要不可欠だ。


問題は、国や自治体や企業が、適正な対価を払う金が無いからといって、安易に他人のタダ働きに頼ろうとしていることだ。



ボランティアや社会貢献という名目でタダ働きが過剰供給されることは、市場経済のメカニズムを歪めて、日本経済にダメージを与えていないだろうか?


国・自治体、企業からすれば、お金が動かないから、無駄な仕事をしても痛くもかゆくもない。自治会やPTAでは「昔からやっているから」という理由だけで、だれも望まない行事がダラダラと続けられる。企業でも、上のご機嫌を取るためだけの資料作成に莫大な時間が使われる。


労働力がいくらでも無償供給されることで、人手不足の現実が見えなくなり、労働市場で賃金が上がらない一因になっているかもしれない。


タダ働きをあてにする組織と、感動や絆を報酬として受け入れられる(人格的には素晴らしい)労働者がマッチングしているようだ。こんなことだから、デフレマインドがいつまでたっても根絶できないのだろう。


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日本人は、お金は汚いという社会通念を捨て、労働の対価について正面から議論できるようになる必要がありそうだ。きっと、もっとイキイキとした社会になるだろう。