高配当株ポートフォリオ艦隊☆司令長官の奮戦記

配当再投資戦略で資産形成を目指すサラリーマン投資家の手記

約束してもらって安心するのは子供。大人だったら約束が経済合理的かどうかを見抜け。

男女の愛は素敵な約束だが、経済活動にはそのようなものはない。



経済の世界では「約束」など無意味であると思った方がよい。


あの「かぼちゃの馬車」の事件では、入居の有無にかかわらず家賃を保証してくれるという約束を信じたために、多くの人が1億円規模の借金を抱えて人生を台無しにした。


世の中には、「必ず効果があります!」という健康食品を買いまくる者、「あなたの人生が変わります!」という自己啓発系のセミナーに大金をつぎ込む者など、安易に約束に飛びついて損をするものが後を絶たない。


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自分の意思決定の結果を「約束」してもらい、安心しきって相手に身をゆだねるのは、親の庇護下にある子供の振る舞いである。


自分の人生に責任を持った大人であれば、この世界は不確実性で出来ているという事実を受け入れなければならない。


経済や投資のことを勉強して知識を蓄え、自分の頭で深く考える習慣を身に付けられれば、不確実な状況下でも、常に経済合理的な意思決定をすることができるだろう。


少なくとも、合理性を著しく欠いたような行動は避けられるようになるはずだ。


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ところで、この世の中で最も恐ろしい約束事があるのをご存じだろうか。


それは、私たちの身の周りにある「通貨」である。


現代の通貨は、各国が好きなだけ発行できる紙切れであり、多くの人が「これでモノが買える」と信じているに過ぎない。


大多数の人は、この銀行券は10,000円の価値がある、という約束に安心するようだ。


5~10年くらいだったら、まぁそれで大丈夫だろう。


だが、数十年という時間軸で見れば、インフレーションがその約束を破綻させるのだ。


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よく考えてみれば、ずっと昔は悪天候が続けばすぐに飢饉になってバタバタ死んでいたわけで、「これで安心」などという状況はなかったに違いない。


生きるとは不確実性と闘い続けることであり、いくら現代が豊かになったとはいえ、絶対安心の約束など期待するべきではないだろう。