高配当株ポートフォリオ艦隊☆司令長官の奮戦記

配当再投資戦略で資産形成を目指すサラリーマン投資家の手記

あえて一つの銘柄に集中投資するとしたら?

私が生きる目的はマクドナルドで家族と食事をすることである。


10月は、ハイテク株への懸念の高まりをきっかけに、株価が崩落が起こった。ポートフォリオに壊滅的な打撃を受けた投資家も少なくないだろう。


今回の下落で、将来の成長に期待して株を買うという行為は本質的には博打であると再認識させられた。


まったく、自分では企業の将来の成長を見込んで買ったつもりでも、単に流行りに乗せられてギャンブルをしているに過ぎない。


たとえ本当に成長性があったとしても、情報が個人投資家に回ってくる頃には、その成長株は大変な割高になっており、崩れかけのジェンガのような状態になっているに決まっている。


最近は株価を見るだけで憂鬱な気持ちになる。


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実は、ハイテク産業には根本的な弱さがありそうだ。


どれだけハイテク化が進んだとしても、それは人間が生きる目的ではなく手段に過ぎないということだ。


高画質なテレビでも、新機能満載のイケてるスマホでも、かっこいい自動車でも、もっと良いものが出たらそちらに乗り換えられる運命にある。だから、どう頑張っても流行り廃りからは逃れられない、栄枯盛衰、盛者必衰の世界である。


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やはり、人間が生きる目的になっている何かを作っている企業こそが、投資対象としては最強ではないだろうか?


人間が生きる目的。


簡単な問題ではないが、個人的には、「空いた腹を満たすこと」は人生の究極的な目的にかなり近いと思っている。


やはり食い物。それも、多くの人が子供の頃から食べ慣れている食糧である。


その中でもナンバーワン、私としては最強銘柄はマクドナルド(MCD)であると思う。


マクドナルドは世界中で愛されており、あらゆる国のホモ・サピエンスの子供たちが嬉しそうにハンバーガーとポテトを食べている。


子供の頃から食べ続けたものが故郷の味だ。


何十億人もの人間にとって必要不可欠な食糧、世界中で親から子へと受け継がれるソウルフード、それがマクドナルドである。


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私自身も、週末に家族でマクドナルドに行くことが人生最大の楽しみであり、マクドナルドでハンバーガーとポテトを食べることが私の生きる目的である。


マクドナルドが消えた世界では、私は生きていくことはできないだろう。


だから、この超グローバル企業が衰退する確率はゼロ%であると断言できる。


もし何か一つの銘柄に集中投資するとしたら、私はマクドナルド(MCD)を選ぶ。

約束してもらって安心するのは子供。大人だったら約束が経済合理的かどうかを見抜け。

男女の愛は素敵な約束だが、経済活動にはそのようなものはない。



経済の世界では「約束」など無意味であると思った方がよい。


あの「かぼちゃの馬車」の事件では、入居の有無にかかわらず家賃を保証してくれるという約束を信じたために、多くの人が1億円規模の借金を抱えて人生を台無しにした。


世の中には、「必ず効果があります!」という健康食品を買いまくる者、「あなたの人生が変わります!」という自己啓発系のセミナーに大金をつぎ込む者など、安易に約束に飛びついて損をするものが後を絶たない。


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自分の意思決定の結果を「約束」してもらい、安心しきって相手に身をゆだねるのは、親の庇護下にある子供の振る舞いである。


自分の人生に責任を持った大人であれば、この世界は不確実性で出来ているという事実を受け入れなければならない。


経済や投資のことを勉強して知識を蓄え、自分の頭で深く考える習慣を身に付けられれば、不確実な状況下でも、常に経済合理的な意思決定をすることができるだろう。


少なくとも、合理性を著しく欠いたような行動は避けられるようになるはずだ。


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ところで、この世の中で最も恐ろしい約束事があるのをご存じだろうか。


それは、私たちの身の周りにある「通貨」である。


現代の通貨は、各国が好きなだけ発行できる紙切れであり、多くの人が「これでモノが買える」と信じているに過ぎない。


大多数の人は、この銀行券は10,000円の価値がある、という約束に安心するようだ。


5~10年くらいだったら、まぁそれで大丈夫だろう。


だが、数十年という時間軸で見れば、インフレーションがその約束を破綻させるのだ。


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よく考えてみれば、ずっと昔は悪天候が続けばすぐに飢饉になってバタバタ死んでいたわけで、「これで安心」などという状況はなかったに違いない。


生きるとは不確実性と闘い続けることであり、いくら現代が豊かになったとはいえ、絶対安心の約束など期待するべきではないだろう。

家計の財産が日々変動するのは強烈なストレス。配当再投資戦略に確信を持った投資家以外には耐えられない。

米国市場の未来を心から信じる者以外は、資産の急激な減少には心が耐えられない。

わが家計の余剰資金300万円を米国株に追加投資しようと妻に提案したら、秒速で却下された。


配当再投資戦略で資産を築くためには時間が必要であることから、そこそこの株価になったら買い増しするのが合理的なのだと説得したが、まったく聞き入れられなかった。


よく話を聞いてみると、家計の財産が毎日大きく変動するのに心が追い付かないということだった。


なるほど。


株式市場と何年も向き合ってきた投資家は、株価の変動には慣れているから、ちょっとやそっとじゃ動揺しない。ましてや米国株で配当再投資をやっているシーゲルの弟子たちは、株価が急落したら再投資のチャンスだと言って大喜びする。


この感覚は普通の人には理解できないようだ。


私は米国の超優良企業への投資は必ず成功すると信じており、必要以上の現金を抱え込むのは愚か極まりない行動であると思っている。


だが、私は妻に従うことにした。なぜか。


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それは、わが家計のリスク資産への投資残高が、たとえ私のリスク許容範囲内であったとしても、妻のリスク許容度をオーバーするべきではないと判断したからだ。


もし私が強引に追加投資を決行して、わが家計の現金・株式比率を株式の方へ傾けたとする。


ここで株式市場の暴落が起こった場合、私は耐えられるだろうが、おそらく妻が耐えられない。


人間は自分のリスク許容度を超えると狼狽売りしてしまうので、妻は、株価が底値になっているところで私に売却を迫ってくる可能性がある。


そうなると、株式投資では爆損を被ったうえに、夫婦関係もダメージをうけるという最低最悪の状況に陥ってしまう。


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以上より、家計のお金で株式投資をする場合には、自分と配偶者、リスク許容度の低い方に合わせて現金・株式の比率を決めるのが合理的であると考え、追加投資を諦めた。


よかったら参考にしてほしい。